たゆたう春と桜
春は揺らぎのある季節で、特に近年は暑くなったり、寒くなったりと、気温や気圧の変動が激しく、なかなかすっきりと変化していかないことから、身体はもとより、心もすっきりとせず、想いがまとまらない時かもしれません。
ですが、私は昔からこの季節が好きです。
少し生温かい風に、たなびく桜の花弁
懐かしい香りと風に揺らぐ魂に、癒されます。
桜の花が大好きです。
サロンの空き時間に、時々散歩をしています。
桜の頃は、ちょうど良い気候で、桜の木の下で眠れるくらい心地が良い。
咲き始めの嬉しい頃も
満開の桜も
散っていく桜も…
どの桜も、風情の中にある儚さがまた美しい。
すっきりと変化しない、たゆたう季節の中で、桜だけが早い変化を楽しんでいる。
淡い揺らぎと光を生み出している。
その安らぎの中にいると、すっきりとしない状況も、もういいのかなと思えたりします。
今年は新しい憩いの場所を発見しました。
桜色の優しい時間。
鳥の声と、桜吹雪が私を包む。
ただ数十分という時間の中でも、桜は変化が早い。
その変化を見て、時を感じる。
流れる川のように時間を紡ぐ。
すべての流れは、時間や縁、物事に繋がっている。
桜の近くにいると、数年前の桜を見ている自分にシンクロした。
時間軸が分からなくなるくらい、過去と今はとても近い。
時間という流れの時系列は、実はあまり遠いものではなくて、今の自分に波長が合っている過去はすぐ隣にあり、今とかけ離れた過去の自分は、遠くに感じるもの。
時系列の中で、後悔していること、やり直したいことがあれば、桜の精に触れてみる。
時間そのものを戻すことや、経験という過去を変えることはできませんが、自分の中の時間を進めること、自分の意識を変えることはできます。
つまずいている過去に繋ぎ直して、その時点からを違う意識に変えることは叶うでしょう。
すべては意識から未来に繋がっている。
過去に気づくこと、目覚めることの大切さを桜の精は教えてくれます。
桜吹雪の中で…タイムスリップをしたようなまどろみに自分の魂を見る。
今年の桜は少し元気がないかなと感じていましたが、薄紅色の木々の隙間から降りる眩しい光りと、仰ぐ空に見る光の欠片…
その恩恵の中で、すべては生きようとしています。
目まぐるしく加速していく時の中で
地球も、国も、経済も、すべてが大きく変わろうとしている。
日本の四季も変化してきています。
そんな中で
美しく咲いてくれた桜と
白い光の精
愛おしい季節に
気がつけばもう 春の宵の音
今年も魅せてくれて ありがとう…
神谷 奈月